ハンズオンワークで起きている事

こんにちは。今日は「アレクサンダーテクニーク教師のハンズオンで起こっている事」について書いてみたいと思います。

アレクサンダーテクニーク(以下AT)では、教師が生徒にハンズオン(Hands on)をします。AT教師はレッスン時間の大半を生徒さんの身体に手を置いてハンズオンをすることによって、生徒さんの身体に気づきを促します。

これが実際どのようなものか?は、レッスンを体験して貰うしかないのですが、かなり繊細なタッチに感じるのではないかと思います。

ハンズオンワーク
生徒さん

ATの先生が私の身体に手を置くと身体が軽くなるんですけど、魔法でも使っているんですか?

私もワークを受けた時は不思議でしたが、実はぜんぜん魔法ではないんですよ!

ATの先生の手は、生徒さんに軽く触れるだけで生徒さんは身体が軽く感じたり、姿勢そのものが良くなるので、「魔法だ!✨」とよく言われたりしますが、実はそうではなくて、これは教師の身体の使い方から起こる結果なのです。

ハンズオンをしている間、教師が一番大事にしていることは、自分の身体の使い方です。

例えばクライアントの身体に触れるセラピストの多くは、相手の身体の触れている部分(例えば、ほぐす為に施術している部分)にのみ、に気が行くのが普通だと思います。

ところが、ATの教師がハンズオンの間に考えている事は、まず最初に自分の身体です。

その次に、相手(生徒さん)の身体、と言う順番になります。

そして相手の身体を考える時は、ハンズオンしている場所だけではなく相手の身体全体を考えています。

時々「ATの先生は生徒さんにハンズオンをしている時、生徒さんの身体を調べている」と思っている生徒さんも居られますが、それはちょっと違って「ATの先生は、自分の身体を通して生徒さんに良い身体の方向性を伝えている」と考えて貰うのが良いかもしれません。その結果、フィードバックとして生徒さんの身体の状態の何かを感じることは多々ありますが。

そう考えると、AT教師は自分自身が良い身体の使い方をしていないと、生徒さんに良い方向性(ダイレクション)を伝えることができません。(これを自分で書いていて、責任重大で恐ろしくなりますが!)そういう意味でAT教師は楽器の先生やダンスの先生と同じで、理論を理解しているだけでは通用しないですね。

この考え方のもう一つのメリットは、もちろん生徒さんに恩恵をもたらすのもそうですが、何より教師側が疲れないのです。もちろん全く疲れないと言う事はありませんが、ずっと自分の身体が最善にある事に注意を向けているので、例えば相手からのネガティブな情報を受けてしまったり、疲弊し切ってしまう事はほとんどないのです。

もしセラピストで、施術後にぐったりと疲れてしまう事がある方は、是非この考え方を取り入れてみて下さい。

これは、もちろん練習が要ります。ATの教師はトレーニング中にそれをコツコツ練習します。それでも私達もついつい生徒さんの身体の状態に気が行き過ぎてしまう時があるので、その度に自分の事を思い出しています。


是非セラピストの方々にも、アレクサンダーテクニークを知って頂けたらと思います。

また人に触れると言う事は、その人の身体の情報伝わる、と言う事を考えると、例えば小さい子供と手を繋いで歩いているお母さんは、知らず知らずのうちに繋いでいる手から子供に、自分の身体の影響を伝えています。

これはちょっと怖い事だなと思ったりします。が、もちろんお母さんの手から子供への愛も伝わると思うので、そっちの方が強力で重要かもしれませんけどね。ウインクまたこれは身体の方向性とは別の話ですけどね。

FMアレクサンダーは、このテクニークを教え始めた時、口で方向性を説明していたけれどなかなかかうまく伝わらないので思わず手が出てしまい、それが上手く行った事からハンズオンが生まれたそうです。

例えば同じ空間に居る人の機嫌が悪いと、その場の空気感はとても悪くなります。空気でも人の状態は伝わるので、『触れる』と言う事はさらに相手に強力な影響を与えます。ですから教師の身体の使い方が手を通して、生徒さんに伝わる訳ですね。ATは西洋から来ているものなので、「気」と言う言葉を使ったりはしませんが、「気」みたいなものと同じことが起こっているのかもしれませんね。

という事で、AT教師の手が魔法ではないと言う事は、おわかり頂けたでしょうか?

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